美味しいは正義~第2話スパムおにぎり~
沖縄とは楽園らしい。
海は美しく、空は青く、人々はおおらかで、スパムがうまい!
私は沖縄に言ったことがないといえど、国際通りが栄えていることと、美ら海水族館が素敵なこととスパムが美味いことは知っている。
そんな私が恋をした。
まるでハコフグのような体型に、死んだ魚の目をしているといわれる彼に。
彼はとても優しく、仕事ができる。
なのでそれをサポートしたいと思うのが乙女心というやつだ。
そんな彼は良く接待が入る。(浮気ではない)
二次会は綺麗な姉ちゃんの店にいく。(浮気ではない)
帰りは終電だ。(浮気ではない)
そんな彼と沖縄には接点がある。
それがスパムだ。
「飲み会の日は荷物になるからお弁当を持って行けない」
そう悲しげに涙を浮かべ、接待が浮気ではないことを訴える彼に私が愛を込めて作る料理。それが
スパムおにぎりなのだ。これなら紙袋に入れて持っていくことが可能なので荷物にならない。結構な大きさなので、これを2つほど作る。
彼は泣く。
「なんて素晴らしい彼女なんだ!!接待の度に浮気を疑いつつもこうして工夫して食費を浮かせてくれる。あぁ、君がすきだ!!すきだ!!」
私達の抱擁は見た目にはホラー映画のように映るが、私達には鏡がない限り美しい。
そして、私は微笑み…少しの見栄をはる。
「紙袋…いいやつにしといたよ。」
「…BEAMS…??」
戸惑う彼に私は重ねる。
「折りたたんでカバンに入れて持って帰ってきてね♡」
彼の目が泳ぐ。そして心の声が聞こえる。
…まて…俺たちは…大学生か?…BEAMS…いや、好きだけど…持ち帰るほどか?37やぞ俺。
私たちは今日も幸せです。
※ここはお料理ブログです。
美味しいは正義~第1話~
昨日は牛すじのどて煮を作った。ゆったりゆったりと作る晩御飯はすごく楽しい。
しかし、私にとってのお楽しみはどて煮本体だけではなかった。その話を聞いて欲しい。
どて煮を作るのは少し手間がかかる。まず、沸騰したお湯に酒と生姜の皮をいれたもので湯掻く。こうして臭みを落とす。そこから牛すじを取り出し、今度はそれを洗っていく。そして、食べやすい大きさにカットしていく。
その牛すじを炊飯器にぶちこみ保温で1晩置く。そうすると驚くほど柔らかくなる。そうすれば、あとは味をつけてこんにゃくと炊いていくだけで出来上がる。(うまかった)
しかし!今日聞いて欲しいのは、その時の炊飯器に残った牛エキスたっぷりの出汁の話だ!!!!これが私の今日の狙いだ!!!
この出汁を冷ますと脂が固まる。それをこして、塩味などで味をつけ野菜をわんさかいれる。するとどうだろう。
あーたまらない!!
悶えるほどの興奮を隠しきれない香りがするではないか!!あー、このままでは味見という名の食事になると自制しながらすする。だめだ、食べすぎてはいけない。まだやるべきことはあるのだ。
お椀に溶き卵とすりゴマ、それにすってないごま(出世しにくい方のゴマ)を入れる。そしてゴマ油をひとたらし…。
しっかり沸騰したあっつあつのスープをお椀に注ぐと…
はい!昇天!!!
卵がふわりと浮き上がり、ゴマ油は鼻の奥まで私を刺激する。
私は悶え死んだ。そして、そのスープを食べて生き返った。そしてこう家族と語りあったのだ。
「美味いもんで1日を締めくくれたら、それで全てはチャラになる」
と。
にも関わらず、画像のピントは肉に合わせている。焼いただけの肉より、スープと焼きナスの方が美味しかったのに、だ。(しかもスープは見切れている)
私はひねくれているのだから仕方ない。
そう
美味しいは正義
そして
肉を食べたと見栄を張りたい
(ひとり150円の肉なのに)
さぁ、てめぇらも美味い飯を食え。そして笑え。暖かいスープに悶えろ。
もう一度いう
美味しいは正義!!!!!!