美味しいは正義~第2話スパムおにぎり~
沖縄とは楽園らしい。
海は美しく、空は青く、人々はおおらかで、スパムがうまい!
私は沖縄に言ったことがないといえど、国際通りが栄えていることと、美ら海水族館が素敵なこととスパムが美味いことは知っている。
そんな私が恋をした。
まるでハコフグのような体型に、死んだ魚の目をしているといわれる彼に。
彼はとても優しく、仕事ができる。
なのでそれをサポートしたいと思うのが乙女心というやつだ。
そんな彼は良く接待が入る。(浮気ではない)
二次会は綺麗な姉ちゃんの店にいく。(浮気ではない)
帰りは終電だ。(浮気ではない)
そんな彼と沖縄には接点がある。
それがスパムだ。
「飲み会の日は荷物になるからお弁当を持って行けない」
そう悲しげに涙を浮かべ、接待が浮気ではないことを訴える彼に私が愛を込めて作る料理。それが
スパムおにぎりなのだ。これなら紙袋に入れて持っていくことが可能なので荷物にならない。結構な大きさなので、これを2つほど作る。
彼は泣く。
「なんて素晴らしい彼女なんだ!!接待の度に浮気を疑いつつもこうして工夫して食費を浮かせてくれる。あぁ、君がすきだ!!すきだ!!」
私達の抱擁は見た目にはホラー映画のように映るが、私達には鏡がない限り美しい。
そして、私は微笑み…少しの見栄をはる。
「紙袋…いいやつにしといたよ。」
「…BEAMS…??」
戸惑う彼に私は重ねる。
「折りたたんでカバンに入れて持って帰ってきてね♡」
彼の目が泳ぐ。そして心の声が聞こえる。
…まて…俺たちは…大学生か?…BEAMS…いや、好きだけど…持ち帰るほどか?37やぞ俺。
私たちは今日も幸せです。
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